睡眠改善(?)薬「ドリエル」「UNISOM」の薬価と不思議

 体調が悪いです。おなかが。まあ眠れない夜に、ドリエルっていう睡眠“改善”薬のお話ですよ。ちなみに最近よく聞くUNISOMも同じ成分です。

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これがユニソム。

 (転載註:二年ちょい前)エスエス製薬より発売された睡眠改善薬「ドリエル」。発売されてから、順調に知名度と売り上げを伸ばし「4~9月の累計(営業ベース)で100万個以上、店頭価格で13億円を突破する販売を達成することが出来」(エスエス製薬)たとしているほど――。

 このドリエルは、聞き慣れない「睡眠改善薬」という名称で売られている。そこで中身は一体何なのかを調べてみた。すると新開発された薬ではなく、以前から「レスタミンコーワ錠」(興和製薬、以下レスタミン)などとして売られてきている、抗ヒスタミン剤“塩酸ジフェンヒドラミン”であることが解った。この薬は、抗アレルギー剤ながら眠気・口が渇くなどの副作用が強いために追いやられ、現在はあまり使われなくなったものだという。

 ここで考えてもらいたいのが、「ドリエル」の価格について。同じ成分なのだから、同じ程度の価格で売られているはず・・・?

 「ドリエル」のパッケージは二つあり、6錠1000円/12錠1900円での定価販売である。ここで前述、同成分である「レスタミン」の薬価と比較してみよう。「ドリエル」1パッケージに含まれている塩酸ジフェンヒドラミンは150mg。でも同成分の「レスタミン」ならば、薬価はたった6.4円/10mg。「ドリエル」1パッケージ分(1000円/150mg)と同じ成分量の「レスタミン」(96円/150mg)ならば、値段は十分の一で済んでしまう。単純に薬価から考えれば、およそ10倍(!)という価格設定なのだ。

 この「ドリエル」。睡眠薬ではなく、あくまで睡眠改善薬。成分は、睡眠薬でなく、あくまで抗ヒスタミン剤。しかしパッケージはどう見ても眠れそうな印象。「Dream Well→ドリエル」というキャッチーな販売促進営業。効用を「一時的な不眠」に限っているのも、使用者に「薬に頼っている」と思わせずにいてもらうためのPOPかもしれない。

 都内のSクリニックに勤務する、院長S先生にお話を伺った。

「たしかにドリエルの主成分であるジフェンヒドラミンは、抗アレルギー剤として処方します。抗ヒスタミン剤は確かに副作用として眠気が強く出る患者さんもいますから、必ず処方時に注意するのは普通です。ジフェンヒドラミンは眠りにつくための薬としていいものではないでしょう。現在わたしたちが処方する睡眠薬・睡眠導入剤はほぼ、ベンゾジアゼピン系という極めて安全性が高く、体に負担をかけません。比べてジフェンヒドラミンは、(服用後)確かに眠くなったとしても、それはやはり主作用と言えないでしょう」

 またS医師は「不眠は多く見られる症状で、すぐに適切な治療で回復する」ので、早めに病院へ行くことを勧めている。

 この「ドリエル」は、「不眠」に悩む、潜在的精神科通院予備軍たち、その彼ら消費者のニーズを突く、医者嫌いニッチマーケティング製品として成功したように見える。とまれ、通院拒否手数料=900円頂きます、ってことか?

初出:『サイゾー』ニュースソース

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