毎日の環境学、禁句としてのパーフリ①

 出ました、天才子役こと小沢健二a.k.a.オザケン。

 私立和光中学卒業、川崎市立多摩高等学校卒業後一年間浪人、東京大学文科Ⅲ類合格後、進振にて文学部へ。専攻はアメリカ文学。音楽履歴としては、これまた天才音楽指揮者・小澤征爾の甥という出自にして、和光中学時代に知り合った小山田圭悟(この頃は圭吾でなくて圭悟)らと、バンド活動を開始する。

 ロリポップ・ソニック結成後、数いたメンバーは脱退し、小山田と二人でメジャーデビュー。ポリドールと契約し、バンド名はフリッパーズ・ギター。ネオ・アコースティックを志向し、その二人の膨大な音楽的アーカイヴから類稀なるサンプリングセンスによって、一部の好事家、及び仔猫ちゃん(パーフリスト、ナゴムギャルみてえなもんだよ結局は・笑)を熱狂させる。同時に、メディアへの露出においては極めて好戦的であることで知られ、インタビュアー泣かせ、記事がうまくまとめられないという事態続出。弱いのはステージ。ツアーでの二人はしょぼい、というのが定説となる。フリッパーズ・ギターとして3枚のアルバムをリリースし、最終作にあたる「ヘッド博士の世界塔――Dr. Head's World Tour」は未だに評価が高い。

 その伝説のバンドであるパーフリのラストはあっけないもので、「ヘッド博士~」を擁した全国ツアーチケットをSold Outさせながら、勝手な事情により、解散。チケットは払い戻しとなり、騒然。当時の読売新聞にも、極めてまじめな記事として「ここ最近ネオ・アクースティック(アクースっていうフレーズに注目・笑)という音楽が流行っているが……中略……プロとしての意識が足りないのではないか。まったくいかんですな」っていうような中身の記事が載るという爆笑事件すら勃発。

 その後、仲違いは現在までも続き、小山田ははじめて見た小沢のソロステージの感想を雑誌にて「なんか……尾崎(豊)みたいだった」と評し揶揄するという珍事も勃発。「フリッパーズギター」はメディア上で禁句となり、言葉狩りとも言われる事態に。なので、小沢の公式プロフィールには「ロリポップ・ソニック改名バンド」と書いてあるとか。


 さて一方、小山田圭吾はコーネリアスとして活動、同時にレーベルである「トラットリア」を主宰。その小山田、二枚目のアルバムのシングルカット曲にてミュージックステーションに出演した際、タモリに「君だけリハーサルと衣装が同じだよねえ」「コーネリアスっていうのはバンド名なんでしょ? でも一人なの?」と突っ込まれるが、基本的に無視。メディアでのテンションは基本的に低い。そんな彼はその後も意欲的、独創的な音楽を創出し、三枚目となる「FANTASMA」のリリース(海外レーベルであるマタドールからもリリース)で世界的に知られるミュージシャンとなる。天才説濃厚。実際、天才でしょう彼は。

 一方の天才、小沢健二はソロアルバム「LIFE」の発表で音楽に自覚的でない層を狙うというなんとも素敵なマーケティングを展開。シングルカット曲「ラヴリー」で紅白歌合戦に出たことで一部のファンに失笑を買うなど、行動は極めて通俗的。でも天才。

 その後シングルを乱発するものの、アルバムを発表せず、ようやく発表したと思ったらシングル曲をまとめた「刹那」というこれまたとびきり素敵なタイトルのもの。その後また沈黙を続け、突然リリースの吉報(っていうのかねえ)で今度のタイトルは「Eclectic(エクレクティック)」。内容はエキセントリック。天才であるのだから、当然いろいろな評論を受けるのだが、中でも極めて鋭い考察を音楽家・菊地成孔氏が著書「歌舞伎町のミッドナイトフットボール」に残しているので必読。

 さて天才・小沢はその後、また沈黙。というかアメリカ失踪。そして急に発表したのが「Ecology Of Everyday Life(毎日の環境学)」。ああようやくたどり着いた。読んでくださっている方、ありがとうございます。さてそれは置いておいて、中身がまたこれはこれは。

 ということで、次回は「毎日の環境学」のレヴュー評、ということで。では。いまさらだけどね(笑)。

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