中野から新中野へのごとく

 土曜日は特になにも予定もなかったので、部屋でDVDと作り途中のいくつかのループを垂れ流しながらベッドに篭城。

 うららかな春をまつ土曜日、さすがのデロンギさん(オイルヒーター)も調子を上げてきているのか、部屋をあたためるほかに、僕を催眠するという機能の色を強くしている。

 だんだんあたたまってくるとともに気分もハイになってくる。布袋とB'zを中学生のときに工作で作ったウッド製ギターで攻略。高校生のときに録画してもらったSAKU2をつけて、一方的にジゴロウにダメ出し。どうでしょうをみながら、それは面白いの? どうでしょう? を連発。傍目にも面白くない(さむい)ことが、どんどんおもしろくなってきて、ドーパミン過剰状態で僕を幻想の世界へと追い込むのだ。

 比べてスロースターターなのがノルアドレナリンとアセチルコリンだ。しかし、エンジンの一端かかるや素晴らしい作用を見せてくれた。手持ちの手帳、携帯電話類に残る女の子とおぼしき番号への非通知無言電話作戦である。しかも、この作戦は非通知で無言で電話をかけるだけでない構造上のオプションを持っていることに僕は気づいていなかった。

 非通知で電話をかけ、無言でいることのできず、「**ちゃんげんき? おぼえてるぅー?」などと言ってしまっては確かに作戦名から逸脱した行為なのだとわかるが、それで相手が懐かしそうに話しだしたらそんなのどうでもよい。一人でも多くの(元)友達に恐怖を届けにいくのだ。これを「土曜ベッド上および構造上のオプション」と呼ぶことが間違っていることも指摘されようが、そんなやつは高校一年次の音楽の授業で「一人でもグループでも、好きな音楽活動を発表する」というときに声変わりしていないことをいいままに安室なみえの「Can you celebrate」をアカペラで歌い失笑を買い、その失笑を快感に変えることを唯一の特技としていた坂本君は、続けてコムロナンバーを朗々とピッチを揺らしながら歌っていたのを思い出すことと大差ない。特殊相対性理論と似ているな、と思った。

 ねむいんだけど、この新日記のテーマは自己性の確認であって、つまりオタク(中でも種類は真正、能動性に属される)の告白にほかならない。だから別に何を書いてもいいのだ。中野から新中野へ引っ越す人の気が知れない、というのと変わりない。ブロードウェイ(行ったことないけどあそこって面白いのか)が遠くなっただけのことだ。あのクリッパーは飛び立ちいずれ彼の記憶となりて。まあこれが当初の主題だったんだよな。

 うーんと(なにしてるんだ自分)? さてそんな形でうつらうつらとしてしまったかつての僕は、ちゃっかりもう夢の中にいて(当然上に書いたことは今書きながら妄想した追い妄想でした)、すっかり出来上がっていたのでした。

 見た夢はふたつ。

・大阪居住時代の元・友達と自転車でスーパーを襲撃、途中で襲撃の目的を失い、なすすべがなくなる
・ぽたぽた焼きとアリのたくさん入った虫かごを持った人をずっと追いかけて歩く

 9日と10日の失敗とそのダメージは一生忘れないぞ。

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