音楽評連載(槇原敬之「EXPLORER」)

 月刊雑誌に音楽評を連載してます。売ってる期間は載せられないので、賞味期限切れですが、それを載せていきます。それの第一回。

explorer.jpg槇原敬之「EXPLORER」

 槇原敬之a.k.a.マッキー、「本日ハ晴天ナリ」以来のニューアルバムを擁し、満を持してチャートに登場。

 5年ほど前、覚せい剤容疑で逮捕、音楽活動自粛を余儀なくされた過去はあれど、それはそれ。音も同様、退転に時を刻み、もはや悔悟はここになし――。

 さて、シングルカット曲「優しい歌が歌えない」でスタートするこのアルバムでは、「太陽」に暗喩していたような反省モードのうたごころはもはや失せ消え、本人の復活の自負を感じさせます。疾走感に耳を潤すメロディラインもさることながら、歌詞こそ聴きどころ。

 では曲調といえばマッキー節健在、さすがはYMOフォロワー。彼のデビューのきっかけが、細野晴臣のラジオ番組へ送ったデモテープだったことは意外に知られていません。

 事件後、ミュージシャンとしての復帰を助けたのは、教授・坂本龍一。そしてデビューの絡みは細野氏。世界に名を轟かせた、かの元YMOの二人の助力に思いを致すなら、ただチャートを賑わすだけの色モノアーティストではないと頷くよりほかありません。

 確かに彼に起こった激動はタイトルそのもの、EXPLORE(探索)。しかしジャケ写の通り、マッキー自身の内的宇宙探索の帰着点こそがこの作品。「♪もうシャブなんてしないなんて~」などとは言わせるものか。ファンならずとも聴くに損なし。

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