想像力が足りない

 まだ秋のあったかかったころ、フリーマーケットにいってみたことがあります。いっぱい店を開いている中で、親子でお店をやっているのをみつけ、みてみると、微妙にほしいものが――といっても、さして自分の生活水準を上げてくれるものじゃなかったですが――あったので、親が、別のお客さんに関心を逸らしている間、ここぞとばかりにその子供に商談を持ち掛けました。

僕「これはいくらなの?」 子「1000えん」  フリマなら値切りも通用するだろうと思って、「安くしてよー」というと、子供は、 子「だめっていわれたんだもん、だめ」  中途半端に言い付けを守るガキはあんまし好きくない。しょうがないので作戦変更。 僕「お兄さんはピカチュウの生まれ変わりなんだよ」  子供の目が、一瞬で尊敬の眼差しに変わっていました。そこでピカチュウっぽいそぶりで、 僕「お兄さんが1000円を払うとさ、お金がなくなっちゃって悲しいよ~。じゃあボクがお兄さんの立場になってごらんよ。やすいほうがうれしいよね?わかるよね?」  子供はしばし困惑していましたが、結局取り合ってくれませんでした。どうやらこの子は想像力が足りないようです。  ……このオチで笑えない人は、想像力がまだ、たりないようです。

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