薬ミシュランという本がありまして、僕はクソ本だと思うんですが、それの書評を二年前くらいに書いていたので公開いたします。これも過去恥部だけど。まあよければどうぞ!
bq. 『「薬」と「クスリ」の境界線』
この本のウリは、ポップな形をとって、精神科領域の薬(それ以外ももちろんあるが)をユーザー(=ライター)の主観により構築しているところにある。グラフィカルに薬の特徴を見せるという作りは、非常に直感的に分かりやすく好感が持てるかもしれないが、落とし穴も見逃すわけにはいくまい。
薬に関する細かいデータ(薬価、成分名や血中濃度半減期など)や、薬の作用機序を提供しているのは、医学文献や添付文書を見る気の起きない「ウツ患者にピッタリ」なのだが、主観に頼った感想と、ワイドショーやスポーツ新聞のような見出し臭があまりに過ぎやしまいか、というのが正直な印象だ。
要は、薬に関する正しい客観データを伝えたいのか、ライター(=クライアント)の主観的な本音を伝えたいのか、ただモチーフがタイムリーで売れると踏んだのか、焦点がはっきりとしない。入門書でもなければ専門書でもない、という姿勢がいささか嘲笑を誘う部分もしばしばである。
この本によって“生半可な”希望を持ち、複数の精神科をはしごし、ドクターショッピングをする、“自称”ウツ患者が増えないよう祈るばかりだ。
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