書評:『スプーン』森達也著

 最近なんだか仕事で本のレビューをやっております。そんな中、原稿じゃないやつ、つまり適当に書いた駄文ですな、そんなのが手持ちのハードディスクにありましたんで、ひまな人は読んでみてください。そういや森さん最近本出してたなあ。A2に本当は付けたかったって言ってたサブタイトル、「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」だっけな、それが新刊のタイトルになってたんでした。ま、そんなことはいいとして、この書評は過去恥部ですが、どうぞ。

本のレビュー 森達也『スプーン』 review by C.M.N.F.

 この本が人を惹きつけるとしたら、やはり視点だとしか言いようがない。著者としての、またドキュメンタリストとしての森達也を知らなくても、『超能力者の日常と憂鬱』、この文言が読みたいか否かを決めるだろう。買う買わないはここではどうでもいいことだ。

 著者・森は――本来、ドキュメンタリーの基本設定とされることが多いであろう――ゼロの状態とは言えない、疑心暗鬼からこのテーマを設定した。そして取材を続けていくうちに、何が信じられるものか、信じられないものか分からなくなってゆく。その心の煩悶、揺れ動きが、文章のはしばしから見てとれる。その過程にドキュメンタリー性を強く感じさせる。

 さて、この本に興味を持った人はどんな感想を持つのだろう。こうだろうか。

 『あなたは超能力の存在を信じますか?』

 いや、違う。森は――この『スプーン』だけでなく、他の著作にも、また映像作品にも共通するのだが――読者の視点をテーマから逸らせるという、読み手の内的宇宙の撹乱に成功しているのだ。この本を読み終えて、「超能力を信じるか?」という疑問が生じることは微塵もなかった。

 その圧倒的な森の本当の視点に打ちのめされた。曖昧とした疑問に答えが出せずにいるあなたに、この本をオススメしたい。『超能力者の日常と憂鬱』なんてサブタイトルのついた本を読んで、実生活を考える。なんと素晴らしく可笑しなことだろうか。

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コメント (1)

Hmmmmm interesting !!!

投稿者: nieruchomosci | 日時: 2004年05月11日 06:59

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