さてさて、まずはいきなり父親からこんなメールが。 --- subject:アルバイトの仕事ありませんか 平日9時から5時半まで、物書きの仕事を求めています。ジャンルは問いませんが、畑違いの領域においては、若干の勉強時間を頂きたいです。求められる精度にも拠りますが、変動部分は400字に付き1時間、固定部分は0時間から3時間位で、そこそこ書けると思います。出来るだけ、原稿料の高い仕事を希望します。恵まれない一人息子がいるので、全て彼に仕送りする積りです。 --- これに僕が返事。以下。 --- subject:ご応募、ありがとうございます この度は、弊社のアルバイト募集にご応募頂き、ありがとうございます。息子さまがあまりに不憫とのこと、とても見過ごすことができません。ですので、残念ながら――――採用とさせて頂きます。 弊社の扱う原稿の分野は多岐にわたるため、貴殿の知識体系の志向性の広さが問われます。得意なジャンルを簡単に添えて頂ければ幸いです。特に、情報収集能力が高いことが要求されますが、如何でしょうか。いわゆるデータマン、まずはそういった方向で、今後貴殿のお力添えを頂くという形で検討したいと考えております。 どうぞよろしくお願い申し上げます。それでは、失礼いたします。 --- そしてオチとして父親からのメール。 --- subject:Re:ご応募、ありがとうございます この度は、試験的とはいえ、ご採用頂きありがとうございます。早速、私の苦手なジャンルをご紹介します。 ①ゴシップ(芸能界、スポーツ界、特に隣近所の) ②パソコン関連(特にデジカメ) ③高等数学(微積分の応用による測量) ④地球物理学(核融合の観点から見た太陽の寿命) ⑤文化人類学(特にピグミー族の生態) ⑥ナノテクノロジー(ミクロの決死圏) ⑦プルトニューム型原爆の作り方(ファットマン) ⑧子供の育て方(特に息子) ⑨精密機械工学(プレシジョン・ボールベアリングの設計) ⑩女性の手なずけ方(特に女房) 引き算すると、ひどくピンポイントな要求になりますが、宜しくお願いします。見習中は時給750円で結構ですが、試用期間終了後は、時給850円を希望します。 --- まったく、血は争えませんなあ。
